131 名前: 風と木の名無しさん 04/03/13 16:45 ID:EY8JIktn

80年代日米摩擦ネタで書いてみマスター。

春のおだやかな日差しが障子から漏れている。
きちんとひかれた布団の中で日本は目覚めた。
『もうこんな時間・・・』
気だるさの中時計を見るともう昼を過ぎていた。気力だけで起きあがる。
考えてみればここ数日アメリカの家に呼ばれてはいいように
嬲られて朝帰りという生活が続いていた。
もうこんな関係は絶つべきと理性では判っている・・・だけど・・・。
ヒトリデハイラレナイ

日本は乱れた髪を無造作にかきあげ湯殿に向かった。

四肢を湯の中で伸ばしてあざが残っていないか確認しながら
日本は再びアメリカの事を思っていた。
最近の彼はおかしい。
以前ならばこちらがもう無理だと言えば許してくれたのに
今では体力のギリギリまで要求してくる。
僕の作る自動車が彼の自尊心を傷つけているのだろう。
でも、今はそれをやめるわけにはいかない。
日本は深いため息を一つついて湯殿を見渡した。


132 名前: 風と木の名無しさん 04/03/13 16:46 ID:EY8JIktn

以前は小さく隙間風のふくあばら家も建て直して立派な檜建ての屋敷になった。
だがそこに人の住む気配はもうない。
日本が生活しているのはその隣に建てられた洋式建築の家。
この家はアメリカとのやりとりに疲れた時に戻ってくるだけの所となってしまった。
外から見れば豪華さもなにもない木の家に見えるだろう。
この全ての無駄を殺ぎ落とし計算された質素な家はけっこう維持に手間がかかる。
便利に流されたくはない・・・だがもう一つの便利な家に住んでいる事実。
この二つをうまく使いこなして行くんだ。それしかない。

日本は勢いよく湯から上がると、タオルで体を軽く拭き
冷蔵庫からフルーツ牛乳を出した・・・が
大きなくしゃみが・・・クシュン!
『そういえば、昨日アメリカもくしゃみをしていたなぁ。』
日本はいやな予感に襲われた。
アメリカが体調を崩すと、たいがい日本も体調が悪くなる。
早めに薬を飲んでおこうかな。でもこの薬あんまり効かないんだよなぁ・・・。
日本はWTO薬局からもらった錠剤をフルーツ牛乳で飲みこんだ。

案の定、その後アメリカは風邪をひき日本は肺炎までわずらってしまった。