674 名前: 風と木の名無しさん 04/10/27 14:37:15 ID:JNDRux8T

がんがれ、私の801脳!無理矢理変換だ。

「もう放って置き給えよ。」
呆れたようにそう言い放ったのは妾腹の次男だった。
「何だと?!君はそれでも人か!」
いきり立つ三男を冷ややかに見て鼻で笑う。
「だってお前ね、考えてもご覧。
あいつはこの間も同じ事でこのヒノモト家に迷惑を掛けたばかりじゃあないか。
平和運動結構、ジャアナリズム結構。僕はこう見えて平和主義者なんだぜ?
あいつと違って自分の尻は自分で拭くけどね。」
「しかしあの子は間違っていない。卑しい君にはそれがわからんだろうがな。」
「ああ、わからんよ。お前ら高貴な方々の理屈なんざわかりたくも無い。
いま、このヒノモト家がどれほど苦しい状態かわかっているのか?
兄さんは勿論、屋敷の人間が皆、嵐や強盗から家を守ろうと必死に働いている。
自分の飯も賄えずよその世話を焼くとは何とも立派な馬鹿様だ。」
「な、何だと!取り消せ!!」
「もう止めろ!二人とも!」



675 名前: 風と木の名無しさん 04/10/27 14:38:01 ID:JNDRux8T

不意に鋭い声が響いて次男と三男は気まずそうに窓際の長男を見る。
長男は美しい指で眼鏡を押し上げ、それぞれを見回した。
「我がヒノモト家の総力を尽くして四男を助け出す。」
次男の顔が強張り三男が嬉しそうに口の端を上げた。
「兄さん!それではまた同じ事の繰り返しだ…!」
「黙れ、これは決めた事だ。」
「ほら、見ろ。兄様はわかってくださってる。早速犯人の要求の通りに…」
「お前も黙れ!何もわかってないくせに口を出すな!」
今度は三男の顔が強張る番だった。
長男はもう一度長い長い溜息を吐き窓の外の荒れ果てた屋敷の一角を眺めた。
「あそこで働いている者も、弟も、勿論お前達も。全て私の大事な屋敷の人間だ。」
長男の横顔は常のように感情も疲れも浮べてはいないが声が微かに枯れている。
「それに、連れ戻さねば叱る事も出来ないだろう…。」

名門兄弟モノ好きなのよ。
この後、長男が屋敷を救うために成り上がり貴族のアメにやられるのもまたよし。