432 名前: 風と木の名無しさん 04/11/26 20:56:36 ID:A2UPhRqC

秋の昼下がり、ニホンは自分の庭を散策していた。
風は冷たいが、頬にあたる日差しが心地良い。
あぁ、それにしても綺麗な秋晴れだなぁ。こんな日は気分が良い。今日はいい日になりそ
うだ。
ニホンは少し浮かれた気分で散策を続ける。連日のストレスで崩れ気味だった体調も回復
しそうだ。
しかし、それを邪魔する声が聞こえてきた。

「ニホンーーーーーーッ!!」
……カンコだ。いつもは彼の声を聞くだけで胃がシクシクと痛むのだけれど。今日はなん
だか平気だ。
「やぁ。どうしたんだい今日は?」
「どうしただと!?お前の所為だッ!!」
彼はいつもこの調子だ。疲れないのか?
「…話がみえないなぁ。また例によって、僕の真似して失敗でもしたのかい?」
ニホンがちらりと横目で見ると、しどろもどろになっている。
「ち、違うッ!!別にお前の真似なんかしたわけじゃないッ!!」
どうも、図星らしい。
あぁ、空はこんなに綺麗なのに、どうして彼はこうなのだろう。
「謝罪と賠償を要求する!!」
…またこの台詞。
いつもなら、ここで小一時間問い詰めたりするんだけど。
今日はなんだか気分が良いしちょっとからかってやろうか。
「ねぇカンコ。」
「何だ!!誤魔化そうとしても無駄だぞッ!!」
「どうして君は、いつもそうなんだい?君がもう少し素直になれば、僕も優しくしてやる
のに。」
そう言って微笑み、カンコを見遣る。


433 名前: 風と木の名無しさん 04/11/26 20:57:01 ID:A2UPhRqC

「なっ…何を…何を言っているんだ!!お前はッ!!」
カンコが顔を赤くしながら慌てふためく。
ニホンはそれを、ただ微笑んで受け止めた。
「き、今日の所はこの辺で勘弁してやるからなッ!!」
そう言ってカンコは走り去ってしまった。なんだかちょっと、躓きながら。
やれやれ、どうやら誤魔化されてくれたみたいだ。用件もろくに言わずに行ってしまっ
た。
彼もいつもこうなら可愛いのに。
そう思って、クスクスと一人で笑った。

「おーい、ニホン。何を一人で笑っているんだ?」
またニホンを呼ぶ声がする。今度は米だ。
ニホンはまだちょっと笑いながら答える。
「やぁ、ちょっとね。君こそどうしたんだい?」
「いや、カンコの奴がお前の名前を叫びながら走って行くのを見たもんだから…」
「だから?」
「その、お前が困っているんじゃないかと思ってな…」
「助けてやろうと、思ってくれたのかい?」
「…まぁな。」
ちょっと照れた感じの彼に、僕は満面の笑みで返す。
「平気だよ。僕は大丈夫だ。」
「あぁ、そうみたいだな。」
彼も笑んで返してくれた。

「なぁ、米。ちょっとその辺を一緒に歩かないか?」
「別に構わないが…どうしてまた?」
「今日は空が綺麗だ。それじゃあ不満かい?」
「あぁ、お前が良く言う風流ってヤツだな。いいぜ、付き合おう。」
ニホンは米と連れ立って歩き出す。

やぁ、やっぱり今日はいい日になりそうだ。


434 名前: 風と木の名無しさん 04/11/26 20:57:30 ID:A2UPhRqC

↑は某スレの
>カンコは背伸びしすぎ。人口も土地も大国じゃないんだから、ニホンの衛星国に落ち着いてればいい。
>基本的になついてくる相手に無体をする国じゃあないのに。(注・意訳)
っていうレスで禿萌えたのでちょっと書いてみますた。

大人なニホン×子供なカンコか、ヘタレカンコ×魔性ニホンを目指して書いたのに、何故
か途中から米×ニホンに……。
精進が足りませんね。

では、お目汚し失礼しました。


441 名前: 風と木の名無しさん 04/11/26 23:14:55 ID:R0oJTVWm

>>434
萌えましたー。カンコかわいいなぁ。
紅葉の中をお散歩するニホンと米萌え。
萌えつつもつい、

「ねぇ、アメリカ。ひょっとして、すごく急いで来てくれた?」
「どうしてだ?」
ニホンはいたずらっぽく笑って、アメリカの横顔に唇をよせた。
「…窓、空いてる」

っていうオチが頭によぎりました。