466 名前: 風と木の名無しさん 04/11/28 01:55:52
ID:1q74bxlN 「ボンジュールニホン。今日はキモノか」 「あ、仏。ボンジュール。うん最近のマイブームなんだ」 「綺麗だ…」 「また冗談ばっかりー」 冗談などではないぞ。私は君の本当の良さを理解できる。 奴には到底無理だが… そう思いながら照れ笑いするニホンの唇を見つめる。 「いつも着ていればイイのに。キモノは君を一番美しく見せてくれる…」 言いながら仏の視線は唇から首筋を通り浮き出た鎖骨に移っていく。 思わずそこに手を延ばし触れそうになったその時、 「だめっ!」 ニホンは襟元を掻き合わせ仏の手から逃れた。 カッとして仏は思わずニホンの肩を掴み揺さ振る。 467 名前: 風と木の名無しさん 04/11/28 01:57:42 ID:1q74bxlN 「なぜだ!?なぜあんな男に操をたてる!あいつと居て君は本当に 幸せなのか?私だったらもっと君を大事にしてやれる!」 ニホンはギュっと目を閉じされるがままに揺さ振られている。 そんなニホンの様子を見て仏は我に返った。 「すまない…私とした事が…」 「…ううん、いいんだ。君の言いたいことはわかるから。でも…」 そうニホンが言い掛けた 時、遠くからニホンを呼ぶ声が聞こえた。 「おーいニホン!」 「あっ…ゴメン。僕もう行かなきゃ。さよならっ」 ニホンは仏を残し声のした方に小走りに走って行った。 あいつの…米の声だった…。 468 名前: 風と木の名無しさん 04/11/28 01:59:11 ID:1q74bxlN クソッ! 仏はニホンとは逆方向に歩きだした。が、突然ピタリと歩みを止めクルリと きびすを反すとニホンの後を追いかけた。 あいつに一言言ってやる! そう心に決めながら早足で向かった仏は茂みの向うから二人の話し声が 聞こえてくるのに気付いた。 仏は気付かれないよう茂みの影からそっと二人のやり取りを覗いた。 「どこにいたんだ。呼ばれたらすぐに来い」 「ゴメン…これからは気を付けるから…」 ニホンはシュンとして米を上目遣いに見つめる。 「ああ、そうしてくれ」 米はニホンを見もせずに言う。 469 名前: 風と木の名無しさん 04/11/28 02:01:44 ID:1q74bxlN ニホンはご主人様の様子を伺う犬のようにジッと米を見ている。 と、米が片手でニホンの腰を引き寄せた。 ニホンはとたんに嬉しそうな表情になる。 米がキスしようとすると自ら米の首に腕をまわし躰を密着させ上を向いた。 米に口付けされるニホンの頬はかすかに赤みを帯表情はウットリとしたものに 変わっていく。 米が身体を離すとニホンは名残惜しそうな顔をして米を見る。 「行くぞ」 そう言うと米はニホンの肩に手を回し歩きだした。 ニホンより頭一つ大きい米はニホンの肩に腕を掛けたまま襟の合わせから 手を差し込んでニホンの胸を弄ぶ。 470 名前: 終わり(゚∀゚) 04/11/28 02:04:07 ID:1q74bxlN ニホンは恥ずかしげな顔をしながらも全く嫌がる素振りをみせず、むしろ 自分から米に寄り添った。 仏は二人が去ってしまった後もその場から動けずにいた。 なぜだ!?なぜなんだニホン!あんなぞんざいな扱いを受けて、それでも 私よりあいつの方がイイと言うのか!米の言動にいちいち喜んだり悲しん だり!君のそんな姿は見たくなかった! まさかあのキモノはあいつのために着てきたんじゃないだろうな? あいつに伝統の何たるかが理解できるわけがないだろう! ああニホン私なら君をもっと大事にするのに…! なぜだなぜだなぜだなぜなんだー!! |